犬の避妊手術、子宮蓄膿症、乳腺がん

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犬の避妊手術、子宮蓄膿症、乳腺がん

今日は基本的なお話。
避妊手術についてです。

ワンちゃんの避妊手術は6ヶ月齢を過ぎてから行うことが多く、
小さな傷から子宮と卵巣を摘出し、一泊だけさせていただきます。

目的として大きいのは、
①乳腺がんの予防
②子宮蓄膿症の予防
の2点です。

避妊手術をすべきか否かについてネット上に色々なことが書かれていますが、
よく情報が錯綜していることについて、2018年6月現在の学術的なアップデートです。

Q. 何度か発情してしまうと避妊の意味はない?
  A. 意味は十二分にあります。

この迷信は、「発情を2回する前に避妊をすると乳腺腫瘍の発生率が格段に下がる」
という事実の拡大解釈です。
確かに避妊の時期が遅れると乳腺腫瘍のリスクを抑える効果は薄まります。

しかし、
・それでも発生率は下がる
・乳腺腫瘍が発生した時に制御しやすくなる(転移しづらいなど)
・そもそも子宮蓄膿症は間違いなく予防できる。

という点で、例えば5、6歳で避妊手術をするのは全く無駄ではありません。

その子によりますが、
傷口はほんの2cmで済みます。

取り出した子宮です。
この子宮は腫れてもいない、正常な子宮です。

ワンちゃんの場合、左右に分かれているのですね。。

この通り!
ほとんど場合、術後に痛がることもなく元気に帰れます。

この子は院長に慣れてしまって、ひっくり返って甘えてくれました笑笑

とはいえ、避妊去勢手術について強制するつもりはありません。
大切なのは、インターネットや口伝えの間違った情報に踊らされずに、
正しい情報を元にご家族でよく相談し、総意を得ることです。

ちなみにこれが子宮蓄膿症の子宮です。

巨大に腫れ上がり、中には膿が入っています。
急患でいらっしゃり、緊急手術となりました。

危険な手術ですし、破裂していればさらに救命率が下がります。

そして、
未避妊メスのゴールデンリトリバー
乳腺がんです。

こういったことも完全に、あるいはかなりの確率で避けられるようになります。

何か参考になればと思い、記事にしました。


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 腫瘍科認定医 瀧口 晴嵩