ハムスターの乳腺がん

２歳の女の子のジャンガリアンハムスター
お腹にしこりができて、漢方薬で様子を見ていたようですがどんどん大きくなってきた、
肛門にまでかかってきているのでそもそも手術できないと判断され、
セカンドオピニオンでいらっしゃいました。

取りましょう！

確かにかなり広範囲にわたる固着性の腫瘤で、
肛門の近くにまで至ります。

あまり大きく切ってしまうと縫い合わせられなくなってしまいますので、
切開部位には細心の注意が必要です。
肛門は保存できましたが、腹膜との癒着が重度で、腹膜ごと切除し一度お腹の中身が露出してしまいます。
再度腹膜を縫合し、こんな感じ。

なんとかなりました。

病理の結果は
「乳腺単純腺癌」
ハムスター類には多い皮膚腫瘤です。

悪性ですので、早く取らないとどんどん大きくなり転移もします。

最後に皮膚を縫合し終了です。
皮膚もつっぱらずよかったよかった。。

無事に麻酔も醒めてくれて、現在は元気にしています。

ハムスターの麻酔、手術はそもそも獣医業界で経験値が少ない施術で、
その分わかっていないことやリスクが多いです。

ですが、どうしても手術が必要なケースは沢山あります。

ご相談の上で必要な手術であれば、実は必要としているハムちゃんたちは沢山いるのです。