会陰ヘルニア

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会陰ヘルニア

会陰ヘルニア整復術

会陰ヘルニアとは、会陰(お尻の横)を形成する筋肉の壁が崩壊し、骨盤腔内の臓器や脂肪が飛び出る病気です。
未去勢オスが罹患しやすい病気で、筋肉が薄くなること、腹圧が高いことなどが素因だとされています。軽度であれば腹腔内の脂肪が飛び出るだけですが、重症化すると直腸や膀胱など臓器が飛び出る場合もあります。一般的に慢性経過をたどったものは臓器が逸脱することがあり、この場合排尿や排便に支障をきたすため、動物の生活の質を著しく害します。臓器の壊死を招くこともあるため、最悪の場合命に関わります。

 

 

 

 

左の会陰から腹腔内の脂肪が逸脱している

<軽度な会陰ヘルニアの一例>
ダックス 10歳 未去勢オス
主訴;お尻にできものができた
できものに見えるこの膨らみはヘルニア孔から飛び出たお腹の中の脂肪でした。
幸い臓器の逸脱はなく、脂肪のみでしたので一般的な会陰ヘルニア整復術を行いました。皮膚を切開し、脂肪を切除(元に戻すこともあります)。その後内閉鎖筋フラップを作成し、外肛門括約筋肛門挙筋とともに縫合し終了です。

重度の逸脱(鼠径ヘルニアも併発していた)

<5年間放置された会陰ヘルニアの一例>
mix 12歳 未去勢オス
この症例は他院にて5年前に会陰ヘルニア鼠径ヘルニアを指摘されていました。
経過観察を指示されていましたが、膨らみはどんどん大きくなり、ついには排便障害などの弊害も出始めたため当院にかかられました。
慢性化した会陰ヘルニア孔からは小腸直腸膀胱が逸脱しており、排便困難尿もれといった症状が出ていました。さらに鼠径ヘルニアからは腹腔脂肪が逸脱し膨らみは巨大化し、歩行困難でした。
<手術計画>
去勢手術;会陰ヘルニアの増悪因子を排除します。
鼠径ヘルニア整復術;巨大な逸脱臓器(腹腔内脂肪)を嵌納するとともにヘルニア孔を閉鎖します。この時、去勢手術ででた精管の断端を牽引し、腹腔内に呼び込みます。
直腸、膀胱固定術;会陰ヘルニアのメスを入れる前にお腹を切開します。かなりの慢性経過をたどっているため、逸脱する臓器は腹腔内に固定しないといけません。この際、精管を用いて膀胱の固定を行います。

会陰ヘルニア整復術;かなり欠損孔が大きく、周囲の筋肉も萎縮しているはずなので特殊な整復法も想定して準備を行いました。

この症例は幸い再発もなく、経過は良好でした。

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 腫瘍科認定医 瀧口 晴嵩