猫の肝外胆管閉塞(EHBO)

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猫の肝外胆管閉塞(EHBO)

ある日急に嘔吐が始まり、急にぐったりしたという10歳の猫ちゃん

診察させていただくと、目が黄色い。。。

これが黄疸です。

黄疸には色々な原因があります。
①肝前性黄疸(溶血性黄疸)
②肝性黄疸(肝不全)
③肝後性黄疸(胆管閉塞)
に分けられ、それぞれ原因が違います。

この子は③の肝後性黄疸でした。

肝外胆管閉塞

だったのです。

胆嚢の中に胆石があり、

総胆管がブリブリに拡張していました。

血液検査上も、
肝酵素の上昇
黄疸の数値の上昇

が認められました。

ちなみに二次性に膵炎も起きていました。

胆管閉塞がひどく、肝臓の中の胆管も白く光って見えます。

この子の場合、
胆石が総胆管に詰まって、胆管閉塞→総胆管の拡張をしたと考えられます。
急性の嘔吐が典型的な症状です。

石が詰まっているわけですから手術が原則ですが、
この子は2日間の内科療法で流れてくれました。
ある日突然元気になり黄疸がなくなりました。

よかった、よかった。

とはいえ、これは珍しいタイプで、
基本的にはずっと様子を見ずに早めに手術に踏み切らなければいけません。

この子も2日がタイムリミットとお伝えしていました。

この肝外胆管閉塞は猫ちゃんの黄疸の原因としては最もポピュラーで、

1位 膵炎 (70%ほど)
2位 胆石、胆汁成分の閉塞
3位 胆管周りの腫瘍性圧迫

が原因と言われています。

とにかく様子を見ずに迅速に検査、診断をすることが重要で、
時間が経ってしまうと一般状態が悪くなって助けられなくなってしまいます。

愛猫の目や歯ぐき、皮膚の色を普段からよく見てあげてくださいね。


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 腫瘍科認定医 瀧口 晴嵩