猫の腸腺癌

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猫の腸腺癌

14歳
避妊済み女の子

1ヶ月続く食欲不振と、便が細いor下痢

が主訴です。

血液検査では全く問題ありませんでした。

お年の猫ちゃんなのに腎臓は全く問題なし。
珍しいですね!

ですが、腹部超音波検査で問題が見つかったのです。。。

空腸から結腸にかけて、2cmほどの腫瘤(しこり)が見つかりました。

超音波ガイド下で細い針を刺し、細胞を取ったところ、
腺癌やGISTという腫瘍を疑う所見が得られました。

14歳と高齢ですが、
このせいで便が流れなくなっている(糞詰まり)可能性が高いため、
手術を勧めました。

すると、やはり盲腸と結腸の間にまたがる
硬い硬い腫瘤が出てきました。


これでは便が流れないわけです。

しこりの上流側には便が大量に溜まっていました。

なんとか取らなくては、、
しかし、場所が悪い。。。

小腸と大腸は基本的につなぎ合わせてはいけないのですが、
このしこりはちょうどそのつなぎ目にあるのです。。

さて、他に見つけた異常所見です。

膵炎

これは超音波検査で分かっていたことですが、
やはり赤く腫れあがっています。

これは腫瘍に続発する二次災害でしょう。

腹膜には大量のブツブツが、、

残念ながら、転移です。

同じように腸間膜リンパ節の腫大も転移の所見です。

また、小腸の空腸にも異常がありました。

白いのが見えますでしょうか?
リンパ管拡張症という病態があると、腸の外側に白いリンパ液が溜まることがあります。

色々考え、リスキーではありますが
切除し、
少しでも小腸の組織に近い構造の大腸と、小腸をつなぎ合わせることとしました。

最低限の切除範囲でです。

そう判断した理由です。
①腫瘤が明らかに狭窄していて、便が流れていないので放っておいても苦しむだけだと考えられる。
②腫瘤が大きくなり破裂(穿孔)する可能性がある。
③そもそもすでに転移をしているのは明らかなので、広い範囲の切除はあまり大きな意味を持たない。


とはいえ、大変。。

なんとか両端の径の帳尻を合わせます。

取れた腫瘤です。

病理に出します。

なんとかバイパス成功!


この後この猫ちゃんは、少しずつ元気を取り戻しました。
びっくりしたのは、術後3日間大量の便が出てきたことです。

溜まっていたのでしょうね。

元気になり、食べるようになり退院していきました。


病理の結果はやはり、
「腺癌」

穿孔しており、お腹の中に播種してしまっているとのことでした。
やはりそうでしたか・・

猫の腸腺癌は、転移をしやすい悪性がんです。

一方で、転移をする前に広範囲の切除が実現できれば比較的寿命を伸ばせることが分かっています。

この症例ではすでに転移をしていたため、実はそんなに長くは生きられないかもしれません。
非常に残念ですが、少しでも幸せな毎日を送れるようにサポートしてあげなくてはいけません。

とりあえずは詰まっているのが解決されたので、かなり顔色が良くなりましたが、

抗がん剤によって寿命が延長することが分かっています。

ということで、2週間に1回の抗がん剤の投与を行なっています。

副作用で苦しむことなく、どんどん元気になり体重も増えてきました。

このまま、幸せに暮らしていけることを最終目標とし、頑張っていきましょう!!


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 腫瘍科認定医 瀧口 晴嵩