うさぎの精巣腫瘍
うさぎの精巣腫瘍の発生率は犬ほどではないですが、高齢になると珍しくないです。セルトリ細胞腫、精上皮細胞腫、ライディッヒ(間)細胞腫などが見られます。うさぎの場合、この中でもライディッヒ細胞腫が多いです。比較的早期に対応すれば完治が望める病気ですし、若いうちに事前に去勢手術しておくのも手です。
<症状>
かなり大きくならないと症状は出ず、健診で見つかることが一番多いです。
<治療>
手術で十分完治が望めます。あまりに大きくなりすぎて腹腔内に浸潤しているような症例は、残念ながら治療は困難を極めます。一定以上大きい場合や癒着が重度の場合は陰嚢ごと切除する必要が出てきます。
また大きい方の精巣だけではなく、正常に見えた精巣も病理に提出すると、これも精巣腫瘍ということもあります。必ず両方の摘出、病理検査への提出を推奨します。
<精巣腫瘍が大きく、癒着していた症例>
この子は初診でいらした「精巣が大きい」との主訴でいらしたうさぎさんです。切開してみると大きいため、陰嚢と癒着しており、陰嚢ごと摘出を余儀なくされました。陰嚢を残すとそこから腫瘍が再発する可能性があります。この子はそれ以降再発はありませんが、大きくなりすぎると再発や取りきれなくなるリスクがあります。
<巨大な精巣腫瘍の摘出、陰嚢切除をした症例>
この症例は癒着こそありませんでしたが、かなり大きく、精巣を引きずりながら歩いていたため、陰嚢が伸び切ってしまっている状態でいらっしゃいました。
片方の精巣はむしろ萎縮していましたが、陰嚢はやはり伸びきっていたため、こちらも切除することとなりました。